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SPECIAL特集

リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝

国立新美術館(終了)、高知県立美術館(終了)、京都市美術館

 

オーストリアとスイスの間にあるリヒテンシュタイン侯国。同国の国家元首であるリヒテンシュタイン侯爵家は、優れた美術品収集こそが一族の栄誉との家訓のもと、500年以上にわたってヨーロッパ美術の名品を収集してきました。その珠玉の逸品が、ついに日本に初来日します。本展は、3万点に及ぶ世界最大級のコレクション(英国王室に次ぐ)のなかから、139点を展示します。世界屈指のルーベンス・コレクションからは10点が一挙に並びます。ラファエッロ、レンブラント、クラナッハなどの巨匠たちの名画を堪能できる展覧会が、ついにはじまります!

優れた美術品の収集が一族の誉れとなる、名門貴族の珠玉の美術品たち

まずは展覧会を楽しむにあたって、ハプスブルク家の寵臣として活躍したリヒテンシュタイン家について、おさらいしましょう。リヒテンシュタイン家は1608年に世襲制の「侯」の位を授与され、侯爵家となりました。18世紀初頭に次々と領土を購入し、領邦国家として承認されたリヒテンシュタイン侯国が誕生。1806年には、神聖ローマ帝国の崩壊を受けて、侯国は同年ナポレオンが結成したライン同盟に参加し、独立国として承認されます。

一族のなかで、本格的に美術品の収集に着手し、コレクションの核を築いたのは、カール1世侯(在位1608-27年)と息子カール・オイゼビウス侯(在位1627-84年)。優れた著述家でもあったカール・オイゼビウス侯は、『優れた美術品の収集が一族の誉れとなる』という理念を記していて、これが現在に至る傑出した美術コレクションの発展を担っている、家訓のひとつとされています。

そんな名門貴族・リヒテンシュタイン侯爵家が収集した美術コレクションは、総数約3万点にのぼります。この数は、英国王室に次ぐ世界最大級の個人コレクションといわれているほど。19世紀には公開されていましたが、第二次世界大戦以降は一般の目に触れる機会はごく限られ、2004年にウィーンの「夏の離宮」で一部が公開されるようになるまではまさに日の目を見ることのない眠れる名品たちでした。展覧会としても、1980年代にニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された大規模なコレクション展がある程度で、今回の展覧会の実現がいかに「奇跡的」かがわかると思います。日本の美術関係者が四半世紀に渡り、努力を続けてきてようやく実現したこの展覧会、ますます期待が高まります。

世界屈指のルーベンス・コレクションほか、ヨーロッパ絵画史がわかる展示に注目!

今回来日する作品はすべてが目玉作品といっていいほどのラインナップですが、なかでも侯爵家が所蔵するルーベンス作品は、30点余りを数え、世界有数の質と量を誇っていることでも有名です。本展では、厳選した10点が一挙に公開されます。5歳の頃の愛娘を描いた《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》からは父親としての一面が、また大作の歴史が《デキウス・ムス》連作は、約3×4メートルという圧巻のサイズ。様々なルーベンス作品を楽しむことはできます(《デキウス・ムス》は東京展のみ出品)。

さらに、豪華絢爛な室内装飾「バロック・サロン」という空間が登場するのも話題となっています。これは、ウィーン郊外ロッサウの侯爵家の「夏の離宮」の展示様式に基づいたもので、華麗なバロック宮殿の雰囲気を体感できるように、実際に天井画も展示します。天井画を美術館内に展示するということ自体、日本の展覧会史上初の試み。一体、どんな展示なのか、ぜひ実際に足を運んで確かめてみてください。

本展は、東京・六本木の国立新美術館の開催の後、一部展示構成を変えて、高知県立美術館、京都市美術館へと巡回します。本展にちなんだコラボ企画も続々と登場していて、漫画「ベルサイユのばら」で知られる池田理代子さん描き下ろしの「リヒテンシュタイン物語」(1000円)も発売。会期中展覧会特設ショップや主要書店で購入することができます。展覧会を堪能するとともに、リヒテンシュタイン家の歴史や当時のヨーロッパに思いを馳せる、そんなゆったりをした時間を過ごしてみてください。


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