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SPECIAL特集

新印象派 ― 光と色のドラマ

東京都美術館 企画展示室

 

点描という、新しいスタイルの確立

ポール・シニャック 《髪を結う女、作品227》 1892年 エンコースティック、裏打ちされたカンヴァス 59×70 cm 個人蔵 © Droit Réservé
印象派といえば、まばゆい光をとらえた自由な色彩が特徴です。日本でも人気が高く、モネやルノワールといった多くの印象派の画家たちの展覧会が開かれてきました。1886年、最後となる第8回印象派展に、新たな技法で描かれた作品が初めて発表されました。スーラやシニャックに代表される“新印象派”の登場です。

新印象派は、色彩そのものが発する表現力を最大限に生かした点描と呼ばれる技法を用い、画面に明るさをもたらそうとしました。点描とは、当時の最新の光学や色彩理論にもとづき、絵具をパレットで混ぜず小さな点で画面上におき、観る人の目の中で色同士が作用する効果を取り入れた技法です。うつろいゆく光をそのまま描きだそうと試みた印象派の作品よりも、色彩の輝きが増し、光があふれているように見えます。目の前にある現実を点描という革新的な技法で表現した新印象派は、次世代の画家たちにも大きな影響を与えました。

新印象派を代表する、ジョルジュ・スーラ

ジョルジュ・スーラ 《ポール=アン=ベッサンの外港、満潮》 1888年 油彩、カンヴァス 67×82cm オルセー美術館、パリ Achat sur fonds d’une donation anonyme canadienne, 1952 ©RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
新印象派のはじまりは、ジョルジュ・スーラが1886年の第8回印象派展(最後の印象派展)に出品し話題となった、《グランド・ジャット島の日曜日の午後》からといわれています。1884年にはこの作品の制作に着手していたスーラは、セザンヌなどと同様に、これまでの印象派の表現の在り方に疑問を投げかけ、独自のスタイルを考察していました。代表作でもある《グランド・ジャット島の……》は50人ほどの人物を点描で描いた生涯最大の大作で、“新印象派”という呼び名も、この作品を見た批評家が付けたものとされています。

その第8回印象派展に点描の作品を出品していたもうひとりの画家が、ポール・シニャック。彼はモネやピサロに影響を受けた後、スーラに出会い新印象主義に共鳴していくことに。生涯、点描画を追求しました。印象派の流れを汲み、スーラ、シニャックから生まれた“新印象派”は、やがて、フランスやベルギーでも多くの画家が取り入れていくことになるのです。

世界から点描の名画が集結

アンリ=エドモン・クロス 《地中海のほとり》 1895年 油彩、カンヴァス 65.5×93cm 個人蔵 © Steven Tucker
本展では、そんな“新印象派”の歴史をたどる構成となっています。展示のはじまりは、新印象派の誕生前夜、印象派を代表するモネからはじまります。目の前の光、そして身の回りの現実をあるがままに描こうとした印象派なくして、この表現にたどり着くことはなかったともいえ、モネの作品も重要な役割を担っています。そして24人の画家の作品を通して、20年にわたる新印象派の変遷が楽しめます。

さらに、19世紀末の熱気は20世紀にも受け継がれていきます。シニャックとも交流のあったマティスは、新印象派を代表するクロスらとも親交を深め、点描技法を試みました。後のフォーヴィスムが生まれたきっかけが、新印象派にあった事実まで、本展では丁寧に紹介しています。

茂木健一郎が脳科学の観点から〈点描〉を解説!

© Takumi Ueda
『新印象派 ― 光と色のドラマ』公式サイトでは、脳科学者・茂木健一郎氏が「目で見るのではなく、脳で見る」をコンセプトに、新印象派の絵画を解剖しているコラムが好評です。茂木氏を座長にした“モギケン一座”は、ただ観るだけではない、一歩踏み込んだ絵画観賞の楽しみ方を教えてくれます。

一座の団員、イラストレーターの植田工氏が点描絵画に挑戦するコーナーも必見。わかりやすいリンゴをモチーフに、点描で描き出す過程を丁寧に紹介しています。美術館に行く前に、ぜひ予習として読んでもらいたいコラム。これから随時更新していくので、お見逃しなく!
『新印象派 ― 光と色のドラマ』公式サイト《点点主義》


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