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SPECIAL特集

ターナー展

東京都美術館、神戸市立博物館

 

英国が生んだ、最も偉大な画家といわれるほど、英国に愛された画家。間違いなく、世界で最も有名な英国の芸術家のひとり。それが、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775~1851)。日本でもファンが多く、風景画の巨匠として西洋美術史上においても欠かせない存在です。世界最高峰のコレクションを誇るテート美術館から、選りすぐりの作品が来日しています。油彩画の名品30点をはじめ、水彩やスケッチブックなどでターナーの栄光の軌跡をたどる、彼の画業を再認識できる貴重な展覧会です。

「絵になる風景」を探し、描き続ける

1775年、ロンドンに生まれたターナーは、幼くしてその画才を開花させます。10代で水彩画家として英国の地理を描く仕事をはじめたことから、その後一生をかけて描き続ける“風景”との関わりが生まれました。当時、英国では交通整備が進み富裕層の間で旅行が盛んに行われるようになりました。空前の国内旅行ブームから、名所を描いた絵画が人気を博し、ターナー自身も「絵になる英国」を探して多くの水彩画を制作していきます。中世の城や廃墟、自然の景観など旅先でスケッチをして、それをもとにダイナミックかつドラマチックな構成の風景画としてエッセンスを加えていきます。そこでターナーらしい“演出”として天候や光の描出に力を注いでいきました。天候によってコロコロと変わる風景を、光を通してドラマチックな一場面として完成させる……こうして画力を積み、さらに十分な収入も確保したターナーは、油彩画にも手を広げていきました。

今回、油彩は約30点出品されていますが、そのどれもが大きなキャンバスに描かれたターナーらしさが伝わる大作ばかり。弱冠26歳にして、当時の英国美術界で絶対的な権威を誇っていたロイヤル・アカデミー(英国王立美術院)の正会員になったその才能を感じることのできる油彩画は、ぜひその筆致までじっくりと鑑賞してみてください。

モネ、漱石ら後世に影響を与えたターナー

本展では、10代の作品から全盛期の代表作、そして70代の作品までを紹介しています。ターナーの作品は後世の芸術家たちにも多大な影響を与えました。モネをはじめとする、フランス印象派の画家たち、そして英国留学経験もあった明治の文豪・夏目漱石が愛した画家としても知られています。

そもそも、ターナーは生涯数万点にも及ぶ多くの作品を制作しました。そのうちの約2万点がコレクションとして収められているのが、ロンドンのテート美術館です。1897年に開館した英国屈指の美術館のターナー・コレクションは、質、量ともに世界最大。1851年に亡くなったターナーの遺言で、ロンドンのナショナル・ギャラリーに自身の作品専門の展示室をつくるということを条件に寄贈しました。ナショナル・ギャラリーに収められた作品は、1897年に新設されたテート美術館へ移され、現在は1987年にテート・ブリテン内に設立されたターナー作品専用の展示館「クロア・ギャラリー」 に収蔵されています。約300点の油彩画、水彩画や素描など約2万点を誇るコレクション、そしてターナー研究の主要機関としての役割も担っています。

日本でまとめて鑑賞できる貴重な機会

英国が生んだ偉大な画家として、世界中にファンの多いターナー。日本でもこれまでターナーを扱った展覧会は開催されてきました。ですが今回ほど大規模、そしてテート美術館の全面協力で実現したものはありません。

さらに会場では、英国にちなんだミュージアムグッズが所狭しと並んでいます。ターナーの世界観を再現したリバティプリントのトートバッグやフォトフレーム、展覧会ロゴをあしらった「シファーズ」のスコーン(焼き菓子)などコラボレーショングッズも多数展開。そして、ターナーの意外なエピソードとともに作品鑑賞できる人気の音声ガイド、案内役は俳優の辰巳琢郎さんです。ぜひ会場で、風景画の可能性と、英国絵画の地位を飛躍的に高めたターナーの魅力に存分に浸ってみてください。


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