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REPORT展覧会レポート

2012.10.17

東京都写真美術館『操上和美―時のポートレイト』 (2012.10.17更新)
 

東京都写真美術館『操上和美―時のポートレイト ノスタルジックな存在になりかけた時間。』

2012年9月29日~12月2日開催、東京都写真美術館『操上和美―時のポートレイト ノスタルジックな存在になりかけた時間。』。広告写真家として、大御所ともいえるポジションに君臨する操上和美さん。現在活躍する30代~40代の広告関係者は、みな操上さんの広告写真に憧れてこの世界を目指したともいえるほどの人物。今回は操上さんのライフワークとしての作品が展示されています。

東京都写真美術館『操上和美―時のポートレイト ノスタルジックな存在になりかけた時間。』

日産”フェアレディZ”、サントリー”オールド”をはじめとするコマーシャルフォト、井上陽水のレコードジャケット、大江健三郎のポートレートなど、1970~80年代のメディア芸術を一新した“鬼才”といわれる操上さん。広告写真のみならず、映像を手掛けるなどチャレンジ精神も忘れません。本展では、1970年代から撮り続けてきた作品を一堂に集めているそうです。

東京都写真美術館『操上和美―時のポートレイト ノスタルジックな存在になりかけた時間。』

いくつかのシリーズ作品が展示されています。まず、写真家の視線と感性を表出した『陽と骨』(1984)、そして故郷へと続く旅を通じて観る者を熟成された時間や記憶へと誘う『NORTHERN』(2002)。そして近年のシリーズへと続きます。地元である北海道を被写体にして、北国をモノクロ写真でとらえた作品は、硬質な雪が印象的。サブタイトルのノスタルジックさを伝える、コントラストの高い仕上がりにも注目です。

東京都写真美術館『操上和美―時のポートレイト ノスタルジックな存在になりかけた時間。』

近年取り組んできた、簡易な複写法で身近な風景を「視覚」へと変換した『Diary』(2009)、2010年発表の『陽と骨Ⅱ』(2010)と、広々と構成された展示室ないに、厳選された作品が並びます。写真という表現を巧みに操る術は、広告写真で培った技術であるのはもちろんですが、その傍らでこういったテーマ性のあるライフワークを行ってきた、そのアイデアが生み出す“技”だと再認識させられます。

東京都写真美術館『操上和美―時のポートレイト ノスタルジックな存在になりかけた時間。』

本展を通して、広告写真家としての操上さんはもちろんのこと、その私的な作品世界にも存分に浸っていただき、写真の奥深さを感じてもらえたらと思います。モノクロ写真がなつかしく、そして恋しくなるような展覧会です。



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