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REPORT展覧会レポート

2010.07.07

東京都庭園美術館『没後25周年 有元利夫展 天空の音楽』 (2010.07.07更新)
 

東京都庭園美術館『没後25周年 有元利夫展 天空の音楽』

2010年7月3日~9月5日開催、東京都庭園美術館『没後25周年 有元利夫展 天空の音楽』。1970年代半ばから85年にかけて活躍した画家・有元利夫。38歳という若さで逝った有元の作品は、フレスコ画のような優しい筆致、独特のやわらかく不思議な登場人物や世界観で人気を博しました。今も尚、作品の強烈なインパクトで惹きつけてやまないその魅力を、没後25年という括りの年に回顧します。

東京都庭園美術館『没後25周年 有元利夫展 天空の音楽』

東京藝大デザイン科に在籍していた有元は、渡欧先でイタリアのフレスコ画に出会いました。日本の仏画と共通点があることを見出し、岩絵の具を用いて絵画を制作するようになります。卒業後、デザイナーとして電通に勤めながら制作した「花降る日」(1978年)が新人の登竜門であった安井賞の特別賞を受賞したことをキッカケに、画業に専念します。安井賞には特別賞という枠はなく、その斬新な手法が受賞審査の際に賛否を呼び、特別賞という異例の受賞となったのでした。

東京都庭園美術館『没後25周年 有元利夫展 天空の音楽』

本展では、38歳で亡くなるまでの代表的な作品に加え、有元の人となりを感じることのできる隠れた作品たちも多数展示されています。「花降る日」や1981年に安井賞を受賞した「室内楽」、藝大の卒業制作として描き話題となり、大学買い上げとなった「私にとってのピエロ・デラ・フランチェスカ」などが並ぶ一方で、“手作り”にこだわっていた有元が作った、趣味のリコーダーを入れる箱なども展示しています。また立体作品からもその不思議な空気感は健在で、一貫した世界観を楽しむことができます。

東京都庭園美術館『没後25周年 有元利夫展 天空の音楽』

同館の屋敷としての厳格な雰囲気は、本展の出品作品とリンクしています。時空を超えて迷い込んだかのような独自の時間が流れる展覧会会場に一歩入ると、死して尚輝き続ける作品のパワーに圧倒されます。8月14~20日は夏休みということで、開館時間を午後8時まで延長する「夏の夜間開館」も実施。夜の美術館では、また異なる展覧会の雰囲気が味わえることと思います。



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