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COLUMNコラム

2014.08.18

無料で楽しむミュージアム 5

相撲博物館

 

全国にたくさんある、入場料無料の美術館や博物館。
なぜ無料なの? 大したことないんじゃないの? どれくらい楽しめるの?
実際に巡って、そんな疑問にお答えしていきます。

日本固有の文化としての相撲を紹介


7月の名古屋場所も大盛況のうちに幕を閉じた日本の“国技”、大相撲。横綱・白鵬の30度目の優勝、関脇・豪栄道の大関昇進、38歳の若の里と39歳の旭天鵬の大一番など、様々な話題を届けてくれました。そんな相撲に関する資料や美術品を、無料で見ることができる博物館があることをご存じでしたか? 日本相撲協会が相撲の普及を目的に運営する「相撲博物館」があるのは、一月、五月、九月の本場所の舞台となる両国国技館の館内。本場所開催中の入場には相撲の観覧券が必要ですが、それ以外であれば、誰でも無料で楽しむことができるのです。

錦絵などの美術品も所蔵

両国大相撲繁栄之図 国郷画
館の所蔵品は約3万点。番付表、横綱免許状、力士の化粧まわしや手形など、“相撲の資料”と聞いて誰もが思い浮かべるものに加え、歌川国郷ら江戸を代表する浮世絵師による錦絵も約4000点有する本格派ミュージアムです。その7割は、収集家だった酒井忠正氏の個人コレクション。両国国技館の前身である蔵前国技館が完成した1954年、相撲資料の散逸を防ぐために酒井氏を初代館長とする相撲博物館が開館し、所蔵品を増やしながら現在に至るというわけです。

展示室が広くないため常設展はなく、年6回の展示替えで常時100点ほどが公開されています。企画の切り口は様々ですが、共通しているのは、ただのスポーツではなく日本固有の文化としての相撲を紹介する姿勢。例えば現在開催中の「本場所から本場所まで」(~8月22日)では、本場所開催に向けての準備に注目し、土俵築や土俵祭といった行事を紹介しています。館のある両国は、下町情緒があふれ、歩いているだけで古き良き日本を感じられる街。相撲博物館で日本の文化に触れ、近くの神社・仏閣を巡り、名物のちゃんこや握り寿司を食べる──そんなお散歩コースを楽しんでみてはいかがでしょうか。

壁一面に並ぶ歴代横綱の肖像


常設展のない相撲博物館ですが、壁の一面には常に、歴代横綱の肖像が飾られています。初代の明石から第71代の鶴竜まで、強そうな男たちの絵や写真がズラリと並ぶ様は、まさに壮観の一言。それぞれどんな力士だったのか、想像を膨らませながら眺め歩く中で、筆者の足がふと止まった写真がいくつかありました。それは、筆者の幼少期に圧倒的な強さを見せていた千代の富士(第58代)と、青春時代にアイドル的な人気を誇った若貴兄弟(第65代貴乃花/第66代若乃花)。「誰の前で足を止めるかで、大体の年齢が分かります」(中村史彦学芸員)との言葉に深く納得です。あなたの足は、どこで止まるでしょうか?

(町田麻子)

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