MENU

MuseumCafe/ミュージアムカフェ

博物館・美術館情報サイト「ミュージアムカフェ」

COLUMNコラム

2014.01.31

無料で楽しむミュージアム 3

オリンパス技術歴史館 瑞古洞(ずいこどう)

 

全国にたくさんある、入場料無料の美術館や博物館。
なぜ無料なの? 大したことないんじゃないの? どれくらい楽しめるの?
実際に巡って、そんな疑問にお答えしていきます。

企業博物館で知るニッポンの技術


全国に数ある無料ミュージアムの中でも、特に多いのが、企業が自社の変遷や製品を紹介する企業博物館。その会社に興味がないとなかなか足を運ばないジャンルかもしれませんが、日本を代表する会社ともなると、普段はなかなか見られない、日本が世界に誇る技術や開発史を目の当たりにすることができます。カメラやオーディオでおなじみのオリンパス株式会社が運営する「瑞古洞」は、その最たるものの一つ。八王子にある、完成してまだ3年目のピカピカの開発センターの1階で、貴重な資料が多数公開されています。

顕微鏡や内視鏡を体験してみよう

オリンパス初の顕微鏡「旭号」(1920年)
もともと、一般には公開しない収蔵庫として始まった「瑞古洞」。オリンパスが開発した最初のカメラ用レンズZUIKO(瑞光)からとり、古くからの同社製品を集めた洞穴をイメージしてこの愛称がつけられました。2013年10月より、予約すれば誰でも見られる技術歴史館として再出発。1グループに1人の説明員がつき、「ライフサイエンス・産業事業」「映像事業」「医療事業」の3ゾーンに分かれた展示エリアを案内してくれます。館内中ほどには、オリンパスがスポンサーとして携わったスポーツに関連する思い出の品を展示するコーナーもあり、フィギュアスケートの浅田真央選手のスケート靴などの“お宝”も!

1919年に創業したオリンパスの出発点は、実は顕微鏡。「ライフサイエンス・産業事業」ゾーンでは、同社初の顕微鏡「旭号」や、生物学者でもあった昭和天皇が研究の際に使っていた顕微鏡など、貴重な実物が展示されています。かつては「日本製=粗悪品」のイメージがあり、日本製と分からないよう登録商標を漢字にせずOLYMPUSとするなど工夫を凝らしていたという話には、歴史を感じずにはいられません。同ゾーンの一画には、最新の顕微鏡で蝶の標本や半導体など様々なサンプルを覗いてみることのできる体験コーナーも。また、「医療事業」ゾーンでも、内視鏡や処置具など、通常は医師しか触ることのできない機器を操作してみることができます。実はオリンパスは、世界で初めて実用的な胃カメラを開発した企業でもあるのです。

歴代名機が並ぶ圧巻のカメラゾーン

左:オリンパス初のカメラ「セミオリンパスⅠ型」(1936年)、右:世界初の実用的な胃カメラ「GT-Ⅰ」(1952年)

私たちにとって一番身近なのはやはり、カメラやICレコーダーなどの「映像事業」ゾーン。当時の大卒初任給以上の値段だった初のカメラ「セミオリンパスⅠ型」から、筆記具のように気軽に持ち歩けるものを目指して開発された「オリンパスペン」シリーズの歴代名機たち、そして最先端のデジタル一眼までがズラリと並ぶ様子は、まさに圧巻です。一部のものはシャッターを押してみることもできるので、カメラの買い替えを考えている人にとっては、好奇心を満たすだけでなく実益も兼ねたミュージアムと言えそう。その最新のカメラを支えているのが「瑞光」レンズであることは、どうぞお忘れなく──。

(町田麻子)



↑ PAGE TOP