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COLUMNコラム

2013.12.26

無料で楽しむミュージアム 2

アド・ミュージアム東京

 

全国にたくさんある、入場料無料の美術館や博物館。
なぜ無料なの? 大したことないんじゃないの? どれくらい楽しめるの?
実際に巡って、そんな疑問にお答えしていきます。

日本で唯一の広告とマーケティングの博物館


カレッタ汐留内のショップやレストランに行く途中、よく前は通るけれど足を踏み入れたことはない──複合商業施設の中にあるとあって、素通りしてしまいそうなアド・ミュージアム東京。カレッタ汐留が電通本社ビルの一部であることから、電通の企業ミュージアムと勘違いしている人も多いようですが、実際には電通4代目社長の意思を継承し設立された吉田秀雄記念事業財団という公益財団法人が運営しています。2フロアにまたがる広い展示スペースには、広告とマーケティングに関する幅広い資料がズラリ。立ち寄らないなんてもったいない、大充実の無料ミュージアムです。

江戸期から現代までの広告がズラリ

「筆屋」江戸期、木製看板
入口は地下1階にあり、企画展を鑑賞しながら階段を下りると、常設展示ゾーンを挟んで企画展の続きが始まります。このちょっと不思議な構成は、元々ただのアプローチだった階段を、企画展の充実のために展示スペースとして使い始めたことによるもの。とはいえ、展示用に作られたとしか思えないほどデザイン性に富む現代的な階段は、最新の広告作品が並ぶ企画展にはぴったり。また、企画展めあての来場者が必ず常設展示ゾーンを通ることになるのも、この不思議な構成のおかげです。

企画展の作品──例えば国際広告賞の最新受賞作──を見に来た人にとっては、江戸時代のインパクトある模型看板(=写真は筆屋のもの)や、さりげなく商品名が入った錦絵などから始まる常設展示には、少し違和感があるかもしれません。でも、日本の広告の歴史を紹介したこのゾーンこそ、「広告は時代の合わせ鏡」をコンセプトとするこのミュージアムの神髄。インターネットも、テレビも、新聞もなかった江戸時代から、商人たちは店と商品のアピールに心を砕いてきました。その時代から今と変わらない発想があったことに驚かされます。その一方でメディアの発達と社会情勢によって広告の役割と在り方は刻々と変化しています。その両方が見えてくる展示内容になっています。

懐かしい広告と共にヒット商品の実物も


考えるきっかけになるだけでなく、単純に楽しめる雰囲気が全体を貫くミュージアムですが、中でも「20世紀ストリート」と「21世紀ウォール」は、誰かと一緒に見ていたら話が弾むこと必至。ポスターや新聞広告、テレビCMといった広告と共に、当時のヒット商品の実物が展示されていて、思い出話に花を咲かせずにはいられません。様々な企業の商品と広告を見ながら、10年後ここにどんなものが並ぶのか、未来に思いを馳せてみるのも一興と言えそうです。

(町田麻子)



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