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COLUMNコラム

2013.11.28

無料で楽しむミュージアム 1

国立印刷局 お札と切手の博物館

 

全国にたくさんある、入場料無料の美術館や博物館。
なぜ無料なの? 大したことないんじゃないの? どれくらい楽しめるの?
実際に巡って、そんな疑問にお答えしていきます。

国立印刷局の役割を知ることができる博物館

「お札」と「切手」。一見関係がなさそう、もしくは、お金つながりなら硬貨も仲間に入りそう…そんな気がする二つですが、共通項は「国立印刷局」で印刷していることにあります。硬貨や勲章を作っているのは造幣局、紙幣・切手・印紙・パスポート・官報などを作っているのが国立印刷局。お札と切手の博物館は、そんなメーカーならではの視点でお札や切手を分かりやすく紹介する博物館なのです。

紙幣の歴史で日本がわかる

印刷局で作っているものに共通しているのは、高度な偽造防止技術が必要である点。1階の展示室では、そんな技術の数々を楽しみながら学ぶことができます。伝統的な「すかし」、図柄が変化する「ホログラム」、傾けると色が現れる「パールインキ」…。実際に触れたり、他国のお札と比べたりしながら見ていくと、日本の技術の高さと工夫する力が実感できます。特に、お札の肖像が人の手で、原寸で彫刻されていることを知ってから顕微鏡でのぞくと、その細かさには驚くばかり。ほかにも、1億円分のお札の重さを体験できるコーナーやクイズコーナーなど、体験型の展示が盛りだくさんです。

2階では、お札の起源と発展の歴史が紹介されています。藩の中だけで使える「藩札」が誕生した江戸時代から、全国で使える近代紙幣が生まれ、技師も機械も海外から輸入していた明治時代、そして、日本独自の技術が高い評価を得るようになった現代まで。多くの実物(=写真は、明治10年発行の初めての国産洋式紙幣)がていねいな解説とともに展示され、人に話したくなる豆知識をたくさん得ることができます。特別展が行われるのもこの階(次回特別展「切手と事件と舞台裏」は12月17日~3月2日)。

小さな芸術品、切手の制作工程も

同じ階の反対側には、切手の移り変わりをたどるコーナーが。「小さな芸術品」と呼ばれるほど凝ったデザインが続々と登場した戦後の切手も多数収蔵され、コレクターにはたまらない展示といえそうです。とはいえやはり、印刷技術の紹介に主眼を置いているのが、この博物館の特徴。無料で入場できるのも、「偽造防止技術を知った上で、安心してお札や切手を使ってもらうため」(川仁央学芸員)なのです。じっくり回ることで、ふだん何気なく使っているお札や切手を見る目が変わりそうな博物館です。

(町田麻子)



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